チェコを出国して,ミュンヘンへ


 9/15 EC166に乗り,チェコを離れようとしている。途中,チェコの駅にしては珍しく,多くの人がホームにいる駅にさしかかった。どうやらそのほとんどの人は見送りの人達だったようだ。4〜5人車内に乗り込んでくる。ドイツに旅行にでも行くのだろうか?やけに陽気に騒いでいる。一昔前によく見た,日本人がハワイに行くときのような感じだ。ホームをみる限り,近所の人ほとんどか来てるのでは・・・?と思うくらいの人数である。ざっと20人はいるだろう。
 運悪く,僕は駅のホーム側の窓際に座っている。その人達は空いている席に荷物を置くと,当然こっちの窓にドカドカと寄ってきて,窓越しにヤイノヤイノ言っているのである。
 ・・・どうでもいいけど,こいつらうるさいぞ!(-_-;)凸 全世界中,おばさんというのはうるさいモノらしい。
 少しは他人の迷惑というのを考えて欲しいものだ。周りの人はみんな迷惑そうな顔をしているようである。それというのも,僕の座っている席は向かい合って4人が座るのであるが,既にもう4人座っている。つまり,向かい合ってできた通路のような部分に,その人達は侵入しているのである。目の前をウロウロされるというのは,非常にうっとうしいものだ。・・・早く退いてくれないかな〜?・・・と思いつつも,おばちゃんパワーに押されて辛抱強く待つのである。
 列車が動くと,おばちゃん達はやっと帰ってくれた。パスポートコントロールをみる限り,チェコの人のようだが・・・それにしてもうるさいなー。黙っている時がない。全く困ったもんだ。
 そろそろお腹が空いてきたので,昨日PlzenのK-Martで買っておいたランチョンミート(ポークのコンビーフみたいなもので200g位ある)と,バナナ,ビスケット5〜6枚を昼食にした。こんなんでかなりお腹が一杯になる。これで200円位かな?ドイツに行ったら,昼食はどれ位なんだろう?・・・う〜ん,チェコっていいなー(^o^)。
 ふと横を見ると,女性がやはり昼食を取っている。サンドイッチと,赤ピーマンを一つ食べている。・・・ゲゲッ!生でピーマン食べてるよ(-_-;)・・・。こっちじゃ丸ごとガリガリやるんだ・・・へー。まー,赤ピーマンってそんなに苦くないし,そういえばサラダに入ってることもあるもんな。今度やってみようかな?・・・少し感心しながら眺めるのである。

 もうすぐミュンヘンという所で,少し疑問が出てくるのである。「そういえば,チェコで切符買うときに,国境の駅までって言って買ったんだよな〜。」ドイツではジャーマンレールパスがあるからいいとして,チェコの国境の駅からドイツの国境までってタダなのかな?・・・はて?
 またまたどーでもいいことで頭を使うのである。我ながら困ったもんだ。
 そうこうしているとミュンヘンに到着!「なんかこう,駅の雰囲気からして違うね!だって売店が多いもんな〜。」しばし周りを眺めるのである。
 「さて,ホテルを探さねば!」事前にガイドブックから,6つのホテルをピックアップしておいた。泊まりたいところを第1から第6に格付けして,いざ出発!
 ・・・どこも一杯じゃん!・・・参ったね,こりゃ・・・。比較的この6つのホテルは近づいているのだが,4つも回ると疲れるもんだ。後2つ行ってみるかな・・・ふう。
 結局6番目のホテルしか空いてなかった。一泊112DMだという。結構高い。ドイツの予算はホテルが8千円までと決めてたのでぎりぎりである(この当時,1DM=約70円)。でも,この調子だと他のホテルが空いている保証はないし,まあ希望のホテルだということでいいや!で,ここに決定(写真一番上)。
 荷物を置くと,例のごとく街をぶらつくのである。

 ブラブラしていると,ミュンヘンの市場を発見。・・・というより,露店ですね。
 チェコでは,バナナ1kgが約60円で買えたのであるが,ドイツでは420円もする。約7倍だ。もう,どっぷりチェコの物価に染まってしまっているので,日本円に換算するとやたらと高く感じる。
 取りあえずオレンジを2つ買う。・・・やはりこちらでも,10ペニヒ位(約7円)のお釣りはチップにされてしまった。「・・・チップなんて言ってないのに・・・。デジタルメーターの計りを使ってるくせに,お釣りを丸めるんじゃねー!」少し訳の分からないことを言ってみたくなる。
 とはいえ,私は露店や市場が大好きなので,なんだかんだと露店の周りをうろつくのである。しばらく歩いていると,「むむっ!こ,この匂いはまさしく・・・。」匂いの方に歩いていくと,そこには漬物屋があった。ほとんどが酢漬けのような物ばかりである。何を隠そう,私は漬け物が大嫌いである。非国民だと言われようがなんだろうが,とにかく嫌いである。嫌いなら行かなければいいのであるが,やはり確かめてみたくなるものなのである。その日から,その一角は危険地帯として足が遠のくことになった。

 折角来たので,旧市庁舎をみた後,教会の展望台のようなところに昇ってみた。この教会から,旧市庁舎だったかな?とにかく教会の近くにあるからくり時計がよく見えるのである。何時かに動くのか,毎回動くものなのかもう記憶にないが,僕は5時に動いたヤツをみたのである。やはり,ここも1〜2分ずれているようだが,ここのからくり時計も面白い。よく見ていると,馬に乗った騎士が,向かい合って進んでいき決闘のようになるのであるが,この馬上の戦いの末,一人がやられるというニクイ演出付きのからくり時計であった。
 「うんうん,良い,良い!」
 十分満足して展望台から降りてくるのである。


 お腹も 空いてきたので食事をすることにしたのである。なかなか席がない。安くて美味しそうな所は,当然のことながら何処も一杯である。こちらの方では相席は一般的なことだと言うが,日本人の私には一般的なことではない。スゴスゴと店から出てくるのである。「う〜ん。こんなことじゃいかんな!もっと図太くならねば!」
 どうせ行くなら,一度行ってみたかったホーフブロイハウス(っていうんでしたっけ?)にしようと思い立つ。中に入るとすごい人と熱気である。・・・うぅ,話しかける隙が無いぞ・・・。
 結局スゴスゴと出てきてしまった。もっとも,相席でも席が無かったのであるが・・・。
 入れないとなると,無いものねだりをしたくなるのが私なので(^_^;),その辺で30分ぐらい時間を潰して再度挑戦してみた。
 ドイツ語会話集を広げて,相席を頼む。意外と簡単にOKがでてホッとするのである。やれやれ,これで食事にありつける・・・。
 ホーフボロイハウスといったらやはりビールだろう!で,早速注文する。1リットル位の大きいヤツが来た。こちらでは1ムスという単位で出てたような気がする。これが9.9DM,10DM出すがやはりお釣りをくれない。最も最初からあげるつもりでいるのであるが,一度返すそぶりでもして欲しいものである。やはりこう考えてしまうのは日本人なのだろうか?
 まあ,そんなことはどうでもいいのでビールを飲むのである。これがまた旨いんだよねー!言うこと無し。

 そうこうしていると手が疲れてくる。さすがに1リットルをずーっと持っているのも疲れるものだ。良く周りをみれば,みんな違う持ち方をしている。「あぁ,・・・そうやって持つのね・・・ふーん。どうりで握りが大きいわけだ。」一つ勉強になる。(持ち方は写真を参照してください。)

 ここでは,陽気な家族と一緒になった。(写真)僕はドイツ語はまるでできないので,話すことは無かったが,色々と身振りで教えてもらった。そのひとつは,ここでは,生バンドが演奏しているのであるが,どうもある一曲がかかるとみんなで歌い騒ぎ出すのである。なんの曲なのかは分からないが,明らかにその他の曲とはみんなの感じが違う。

 

 あちこちでドカドカ音が聞こえ始め,歌い出すのである。多分に漏れず僕が相席になった家族も歌い出した。すると,お父さんだろうが,僕の肩をたたくのである。何かとみれば,お父さんはジョッキの底をテーブルにドンドンと打ち付け,お前もやれというジェスチャーをするのである。
 当然面白そうなのでやってみた。曲にあわせてドンドンテーブルに叩きつける。まぁ,手拍子のようなものだろう。お父さんは,「いいぞ!いいぞ!」という感じで上機嫌である。肩までくみ出す始末である。
 「ドイツ人の飲み方って,日本の大学生やサラリーマンと合うかもしれない・・・。」とか考えてしまうのである。
 曲が終わると,テーブル毎にジョッキを掲げて乾杯をして飲むのである。いやー楽しかった。おかげですっかりこの家族と仲良しになってしまった。
 あんまり楽しかったので,今回の旅行では,初めて写真を撮らせてもらったのである。ここに載せたのがその人達である。ちなみに,男の子がビールを持っているが,写真を撮らせてと言ったら,お父さんが面白がって持たせたもので,この子が飲んでいたわけではないので,悪しからず。

 


 さて,すっかり上機嫌になりコースターを一つ失敬して,ホーフブロイハウスを後にするが,よく考えたら夕食を取っていないことに気がついた。ビールを1リットルも飲んだので,もうお腹は空いてない。正直言ってもうどうでも良くなっている。
 またマクドナルドが目に付く。「またマックはやだな〜・・・おや?」
 そうなのだ,日本には無いメニューがあったのである。なになに,マックチキン?チキンナゲットとは違うんかいな?
 嫌だと言っていたくせに,夕食をそれにすることにした。スペシャルメニューを頼む。日本で言うセットというものだろう。これが8.90DM。すこし高いかもしれない。まあ,そこそこのおいしさだが,これなら僕はビックマックセットの方が良かった。
 少し失敗したなと思いながら駅をふらつく。ちなみに,ホテルは駅のすぐそばにある。半ば酔っぱらいなのであるが,なぜかまた本屋みたいな所に入っていってしまった。・・・新聞がある。あれ,これどっかで・・・。おぉ!日本経済新聞ではないか!しかも日本語じゃないか!日付をみると今日のだ。
 懐かしくなり,思わず買ってしまった。8DMだった。「なんだ8DMか,買うべ買うべ。」・・・そうなのだ。もう気付いた人もいるだろうが,この「なんだ」は明らかにチェコの物価で考えているのである。つまり,8DMを8kcだと思っていたのである。ホテルに帰ってよーく考えると,これは32円ではなくて,560円なのである。日本でも100円程度の新聞を,560円で買ったのである。輸送費等がかかって高いのは分かるが,560円払って読むほど必要な記事なんか無いのである。
 「あ〜,なんて無駄使い。俺って大馬鹿・・・。」
 ひたすら落ち込む。でもまあ,日本円が1ドル102円だってのが分かって役に立ったのも確かだが。他のニュースも久しぶりだ。衛星放送とかでシンプソン裁判の事をやっていたのだが,日本の事は知らなかったので懐かしかった。
 「なんだ,まだ自民党の総裁選なんてやってるんだ。・・・おっ,オームもあるな・・・ふーん。」
 なんて読むのである。
 一通り読み終わると眠気がさしてきた,意外と疲れてるみたいだな〜。やっぱドイツもいいね。古い街並みはチェコで一杯見たからもういいけど,日本に無いシステムに出会うと新鮮に感じるもんだよねー・・・当たり前か!そんなこと。新聞といい馬鹿だな・・・俺。・・・酒飲みは日本と同じくどんちゃん騒ぎしてるし,明日もホーフブロイハウス行ってみようかな?そういえば,チェコではどんちゃん騒ぎしてるところ見たこと無かったな・・・。ってことは,チェコ人よりドイツ人の方が日本人と似てるのかな?
 この時はもう,ホテルで買ったビールも飲んで,かなり酔っぱらっていたみたいだ。手帳に色々書き綴ってある。ほとんど読めないが・・・。
 ともあれ,こうしてドイツに入国した一日は暮れたのである。

ミュンヘンはこれだけじゃないんでしょ?・・・でミュンヘンその2へ進む。

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