ミュンヘンその2


 9/16 
 ここの朝食は、パンがおいしい。チェコのパンがあまり口に合わなかったせいかもしれない。でも香ばしくって、パンの味がしっかりしていて、ちょっと日本では食べられないのではと思うくらいだ。泊まって良かったかもしれない。それに、エッグスタンドに茹で卵が載っていて、スプーンで叩いて半熟の黄身を食べるという、映画では見たことがあるが、普段あまりお目にかかったことのない(・・・僕だけかな?)朝食が出てきて、嬉しいやら戸惑うやらで結構朝から楽しい。
 ドイツ人の食べかたを見つつ、今日のスケジュールを考えるのである。とは言っても、今日一日ミュンヘンの美術館巡りをするつもりだったので、どういう順番で周ろうかなーという程度のことである。いくらか考えるものの、パンが美味しくってすぐに食べることに集中してしまう。
 朝食を済ませ、手近なものを鞄に突っ込むと街へ繰り出すのである。

 さて,街へ出てみると,なにやら騒がしい。飾りのついた馬車なんかがいる(写真上から3枚目)。よくよく看板を見る。「なになに,オクトーバーフェスタ?ふーん,お祭りか・・・。」
 そうなのである。偶然お祭りに出くわしていた。ホテルの空きが少なかったのも分かるような気がする。街中なにやらせわしなく,皆パレードを見たいのか外にいるため,美術館とかが意外と空いていた(バーンズコレクションだけは別)。


 まず最初にレジデンツへ(写真上)と向かう。ここの祖先画と古美術の間を見たかったためである。行ってみると、古美術の間よりも祖先画の方がインパクトがある。古美術の間は壁に描かれている絵がすごいが、彫刻はそんなでもなかった。

 取り敢えず見るものは見たので、今回の本命であるハウス・デア・クンストへ向かうのである。正直言ってしまえば、ここさえ見れればあとはどうでもよかったのである。(^_^;)
 というのも、ミュンヘンに着いてから分かったのであるが、9/16〜オクトーバーフェスタの間、バーンズコレクションが開催されていたのである。つまり今日が初日だ。日本でもバーンズコレクションが行われたことがあったが、見逃してしまっていて悔しい思いをしていたのである。ミュンヘンに着いてバーンズコレクションが見れると知ったときは、もう他の予定はすっかりそっちのけにしてでも行こうと決めたのである。元々僕の予定はあってないようなものなので、そんなのでも全然構わない。
 このバーンズコレクションには門外不出のものも出ているそうで、期待を膨らませ、目を充血させながら行くのである。

 いざ入ろうとすると、IDカードを使っても入場料が10DMと意外と高い。他の美術館はIDカードを使うと高くても3DM位なので、かなり高く感じる。もっとも、日本で見ると10DMなんかではすまないので、しりごみしたもののやっぱり中に入るのである。
 ここの入場券は洒落ていて,半券が絵ハガキ(写真左)になっている。持っていると出したくなるもので,とはいえ,入場券の半券を送るのは失礼かとも思い,結局僕はドイツから自分宛に出すのである。(^_^;)

 入るとやはり高いだけのことはある。Paul Cezanne, Amedeo Modigliani, Georges Braque, Koger dela Fresnaye, Chaim Soutine, Henri Matisse, Henri Rouseau, Georges Seurat, Paul Gauguin, Pablo Picasso, Henri de Toulouse, Pierre -Auguste Renoir, Edouard Monet, Claude Monet etc..と、あげればきりがない位の画家の絵がある。中でもやっぱりピカソの絵が良かった。ピカソの若いころからの作品が、年代順に並んでいて、本でしか見たことのない「ピエロ」(正式名称は違うかもしれませんが)なんかもあって、ただただ溜め息しかでない。ピカソが若いころ、まともな(これも失礼だが)絵を書いていたことは有名だが、ここに展示されている中では、1907年の26才位から変わっているようだ。

 

 この美術館に来て驚いたことがある。というのも、絵にガラスがかかってないのである。日本で展示する場合には、大抵額にガラスをはめるか、ショーケースのようなところに絵が入れられていることが多いが、ここのにはほとんどそういうものが無い。かといって近づけないかというとそうでもなく、壁から4〜50cmのところの床に線がひいてあるだけなので触ろうと思えば触れるだろう。日本人から見れば無防備にしか見えないが、こちらの人のマナーがしっかりしている証拠なのかもしれない。
 そんなことに感心しながら、もう気の済むまで・・・飽きるまでここにいた。なんだかんだで2時間強いたみたいだ。念願を果たし、十二分に満足して次の美術館へ向かうのである。まだ行くのかい?と思うかもしれないが、まだ行くのである。ミュンヘンには美術館が比較的近くにいくつもあるので、行かない手はない。

 次はノイエピナコテークに行く(学生1DM)。ここにはゴッホのヒマワリがある。これは写真でしか見たことはないが、実際に見ると油絵の具を山のように塗り重ね、ヒマワリが立体的にみえる。これ一枚で来たかいがあったように思う。
 このテラスで昼食をとる。ビールはDunkelsを頼む。これまた美味しいね。ここ2週間不味いビールに当たってないもんな。いやー愉快愉快!
 そうこうしていると注文したピザが来る。・・・ゲゲッ!でっかいぞこれ!直径がA4版位ある。結構お腹にたまるし、これ全部で15DMである。安いね・・・うぅ、でも苦しい。
 銀行で両替をすると市立レーンバッハギャラリーへ向かう(学生4DM)。ここにはマルクトの青い馬がある。これまた美術の教科書でしか見たことのないやつだ。これはまたいいねー。他の絵はどうでもいいんだけど、この絵は気に入ってしまってしばらく眺める。それにしても、なんで馬を青くしたんだろう・・・?そんなどうでもいいことを思いつつ、かつて無いほど満足して一旦ホテルへと引き上げた。
 ホテルへ着いて一息つくと、眠気が襲ってきた。割と疲れていたようだ。ミュンヘンではあと9時のミュンヘン小僧が見たいので、まだ3時間位ある。寝るわけにはいかないよな〜・・・。でも眠いから仮眠するか・・・。目覚まし時計をセットして眠りにつく。

 


 ふと気付くと7時半、まだ時間はあるな。夕食にでもするか・・・、まだピザが胃にあるんだけどな〜・・・。
 しかしだ!折角南ドイツまで来たんだから食べないのももったいない!旧市庁舎の横にあるレストランへ足を運んだ。
 何頼もうかな・・・?ガイドブックをめくると、ヴァイセンビールという小麦のビールが南ドイツで飲めるらしい。ふんふん。これにするか!
 ウェイトレスに注文すると、uウムラウトの発音が悪いらしく通じない。この人は英語もできるが、小麦のビールをなんて言えばいいのかよく分からないので、ガイドブックを指差してみた。おぉ!分かったらしいぞ。やっぱり、ドイツ語が併記してあると便利だよな!これでビールが飲めるぞ。他には、ヌードルコンソメ、ポーク(なんか肉と言えばポークばかり食べてるね。)、パン1つで26DMだった。なかなか美味しかった。このヴァイセンビールは、今回の旅行で最も美味しいビールだった。なんだかんだ言っても、やっぱりドイツのビールは美味しいのかね?!これはまた飲みたいな〜。これ以来、日本でも小麦のビールを飲むが、日本で飲む小麦のビールは美味しくない、全然ものが違うような気がする。このビールのためだけでも、またドイツに行きたいな〜と最近思うのである。
 で、本題のミュンヘン小僧なのだが、行っては見たものの、大したことなかった。人形が2つ一回転するだけだった。これだけなのに、なんでこんなに観光客が多いのかね?
 ちょっといい気分に水を注された気がしたが、これもまたいい記念だよね〜とか、調子よくホテルに帰るのである。
 さて、ミュンヘンでは夜になると地下道は通らないものらしい。多くの人が地下道があるのに、大通りを信号無視しながら渡っていく。地下道を覗いてみると、一見してまともでないような人がごろごろ階段に座っている。お〜恐い恐い。
 そんな訳で、僕も大通りの信号を無視して渡り、ホテルへ帰るのである。

 


ふーん・・・と,納得したようなふりをして次へ進む

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